2012年11月9日金曜日

いわし亭部長とフランシーヌ千里部員の音楽放談~ノイズ


みなさまはじめまして。
音楽倶楽部のフランシーヌ千里です。


わたくし “ フランシーヌ千里 ” が、リスナーのプロ?  とも言える “ いわし亭部長 ” にまっしろな心で素朴な質問をしていきます。最初は緊張しながらの対談ですが、徐々に充実させていきますので、よろしくお願いいたします!


第1回目 テーマ:『 ノイズ 』


いわし亭部長の “ 語り ” を聞いていると、非常に衝撃的なパフォーマンスとともに音を出す人たちの存在を知りました。どうもそれが “ ノイズ ” らしい。とのことで、今回は “ ノイズ ” が目指すものや醍醐味について聞きました。








“ ノイズ ” 豆知識 あるいは “ ノイズ ” こぼればなし


いわし亭のお勧めアルバム





キャバレー ヴォルテール 『 スリー マントラズ 』

シンセサイザー トリオ。グループの名前は、反芸術運動 ( ダダ イズム ) 発祥の地であるスイスのキャバレーの名前にちなんでいる。ファンにはキャブスの愛称で親しまれたノイズ界のアイドル。

レコードで発表された当時、“ 西洋のマントラ ” “ 東洋のマントラ ” と題された20分の楽曲が A 面 B 面に一曲ずつ入っていた ( 鑑賞する際にレコードをひっくり返すという作業が、マントラのスイッチングという意味で良かったんだよなぁ )。
テープループを用いた単調なリズムが延々と続く中から、コラージュされた “ 西洋 ” と “ 東洋 ” が浮かび上がる。この東西のマントラに “あなたのマントラ” をかけあわせることで、新しい価値観の誕生を誘導しようというコンセプチュアルな作品である。




いわし亭部長のお勧めノイズ アーティスト



T.G.( スロッビング グリッスル )
『セカンド アニュアル リポート(第二活動報告書)』

“ Industrial Music for Industrial People ” というスローガンのもとに、人間性を失った人々に捧げるレクイエムを奏でた。1975 年の結成なので、その登場は、実はパンクよりも早かったことになる。現在、語られるノイズ ミュージックのイメージは、彼らによるものが多い。2012 年に入り、Industrial Record  から発表された初期のアルバム ( カセットで『第一活動報告書』が発表されており、写真は 『 第二活動報告書 』 と題されたLP でのファースト アルバム ) がリミックスされ、リイッシューされたので、是非、挑戦してみて欲しい。




S.P.K.『 Leichenschrei 』

シドニーの精神病院に勤務していた看護人のグレアム・レベルと、彼の患者であったニール・ヒルにより、1978 年に結成。それまでにあったどんな音楽とも異なると評価された。その凶暴無比な音響的インパクトは発表されて 20 年以上が経過した現在でさえ、その説得力を失っていない。 写真は比較的手に入りやすく、また捨て曲なしの傑作 『 Leichenschrei 』 。








ジム・フィータス

それまでのノイズを収斂して、さらにそこから先の世代へ橋渡ししたジャイアント。いわし亭部長にとって “音楽を聴いて驚かされる” という嬉しい体験は、フィータスの「カラミティ クラッシュ」以降、現在に至るまで、残念ながら、ない。アインシュテルツェンデ ノイバウテン、デペッシュ モード、マーク・アーモンド ( ソフト セル ) といったアーティストをオーバー シーンへと牽引する重要な役割も果たしている。FOETUS という記号の入った変名で、同時に複数のユニットを起動しており、その変幻自在でエネルギッシュな行動力はまさにテロリズムを思わせる。






ナイン インチ ネイルズ

1993年と1996年にはグラミー賞のベスト メタル パフォーマー。映画 『 セヴン 』 のオープニング クレジットで流れる 「 クローサー 」 で、彼らの名前は一躍、有名なものとなった。






アインシュテルツェンデ ノイバウテン

“ 倒壊する新造建築物 ” を名乗るドイツの4人組。新造建築物とは、第二次世界大戦以降に作られた建物全般を指すが、転じて “あらゆる今日的な価値観の崩壊” を意味している。
圧搾機械やグラインダーを用いたパーカッションに律動的なベース ライン、さらに狂熱的なヴォーカルがのり、呪術的な祭祈空間を生み出す。パーカッションには独特のトリートメントが施され、見た目からは想像もつかないようなサウンドが醸成されている。
初来日のライヴは、1985 年、関西では京都大映撮影所で行われたが、大魔神のハリボテと対峙するノイバウテンのステージはなかなかにシュールな光景だった ( 笑 )
写真は、初来日時に制作されたビデオ作品 『 半分人間 』  の撮影現場。監督:石井聰互(現 岳龍)







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