2015年9月14日月曜日

いわし亭の日々是好日 2015 年 9 月


 9 月 2 日 ( 水 )

梅田ムジカジャポニカにて、ミチロウさんのライヴに参加。小野一穂さんとのツーマン。

ミチロウさんの凄さについては、いわし亭が今さら何を言ったところではるかに及ばないのは十分承知の上だが、あえて一言だけ述べるなら、ミチロウさんは全てにおいて自分で落とし前をつける。そしてそれこそがミチロウさんにとってのパンクである と言うことだ。

かつて扇町ミュージアムスクエアのあったビルのヨコに池袋の大勝軒の大阪店があるんで、ここで晩御飯。大勝軒は池袋の、いわゆる “ つけ麺 ” 発祥の店で、いつ来ても旨い。出店当初は微妙だったが、最近は味のバラツキも少なくなった。今年の 4 月創業者の山岸さんが死去したニューズはまだ記憶に新しい。

開演までは、まだ時間があったのでライフに飲み物を買いに行く。そういえば、このライフの入り口のところに、玉垣に囲まれ、朱塗りの鳥居と祠を備えた銀杏の巨木が、中州の様になって取り残されている。このいかにもな風情は、おそらく切ろうとした人々が次々と変死したとか、そういう類いの都市伝説の存在を想起させる。時間があれば、調べてみたい。
扇町ミュージアムスクエアは、大阪ガスの事業の一環で ’85 年 ( 昭和 60 年 ) 3 月オープン、以降実に 18 年間にわたり関西のサブカルチャーの拠点として機能し、’03 年 ( 平成 15 年 )  3 月 16 日をもってクローズ。現在は宿泊も可能な研修施設セミナーハウス クロス・ウェーブ梅田が出来ていて、 trf のサムのダンス スタジオなども入っている。

ここは映画の自主上映とか小劇場とか雑貨店、カフェレストラン、ギャラリー等を併設した、とんでもなく面白いスペースだった。二階には “ 劇団★新感線 ” や “ 南河内万歳一座 ” の稽古場、“ ぴあ ” の編集部等があり、界隈のお好み焼き屋とかで古田新太や内藤裕敬など、よく見かけた。道なりに少し行くとJR天満駅に着くが、ここには正道会館総本部があり、アンディ・フグや武蔵が、かつては天六商店街を闊歩していたものだ。
扇町ミュージアムスクエアの隆盛は、いわし亭がサブカルチャーに興味を持ち始めた時期と重なっており、ここで見た “ 劇団★新感線 ”の 『 宇宙防衛軍ヒデマロ 』 や当時、勃興しつつあった数々のインディーズ勢力、音楽や映画 ~ 秋田昌美の Merzbow のライヴ、塚本晋也 『 鉄男 』 植岡喜晴 『 夢で逢いましょう』  林海象 『 夢みるように眠りたい 』 等々の映像作品 ~ がもたらしたインパクトは今も忘れがたい。

そもそも、扇町ミュージアムスクエアに連なる東通商店街が恐ろしく雑多な魅力に富んでいて、関西輸入レコード店の草分け “ LPコーナー ” をはじめとして、とにかく輸入レコード店がたくさん軒を連ねていた。確か “ LPコーナー ” の手前にあった “ Dan ” でスロッビング グリッスルのインダストリアルレコードのオリジナルシングル盤とか FUGS のアナログLPを格安で購入したと思う。壁にはフランスのアングラ ジャズレーベル PYG のアルバムが大量に飾られていた。そういえば、キャバレー ヴォルテールが ’82 年 3 月に大阪で行ったライヴは、この東通商店街のボトムラインではなかったか。
古書専門店 “ 末広書店 ” は、とにかく古い雑誌関係が強く、ここでブルース・リー絡みの ’70年代当時のモノをたくさん見つけた。アングラなカストリ雑誌や映画のパンフレットにも珍しいものが多かった。“ 末広書店 ” は戦後間もなくの開店で 50 年以上続いたが、残念ながら ’12 年 6 月に閉店している。というか、この界隈のレコード店、古書店はそのほとんどがなくなって、呑み屋やヘアサロンや風俗になった。現在は、東京から進出してきた “ まんだらけ ” やAV関連の “ 買取りまっくす ” が気を吐く程度。とても残念だ。


 9 月 13 日 ( 日 )

大阪府立体育館第二競技場で開催された WAVE の興行を見に行く。プロレス、しかも女子プロレスは本当に久しぶり。9 月 20 日で引退する紫雷美央と WWE へディーヴァとして正式参戦が決まった華名の大阪ラストマッチ。今、WAVEはかつて橋本真也が旗揚げした当時の ZERO - ONE 的ないわゆるマット界のフリマ―ケットと化していて、見たい選手がこのリングに集結しつつある印象を受ける。わが最愛の安川惡斗が所属するスターダムが単独で興行が打てるがゆえに独自路線を貫いているのとは対照的で、どちらも応援したい。後で知ったのだが、この興行、あの女子プロレスのレジェンド マッハ文朱が観戦に来ていたらしい。
華名の大阪ラストマッチは、旧姓広田さくらがコスプレ華名に変身して、華名華名対決となり、楽しく華やかなプロレスの持つ奥深さを存分に見せつけた。“さよならトレイン”で実現した、華名と紫雷美央の和解もとても爽やかで感動的なものだった。
メインの紫雷美央 大阪ラストマッチはピンチの連続で、挑戦者チームの暴れっぷりが目立つ一方的なものになったが、最後は熟練のキャリアで乗り切って見せた。館内は無事に引退を迎える紫雷美央を送り出すかのような多幸感にあふれ、久しぶりのプロレス観戦はとても居心地が良かった。

府立体育館の前の“らーめん馬鹿力”に行く。結構、好み。



 9 月に見た映画 ( 満点 ★★★★ )

9/21 『 アントマン 』 ★★★
9/26 『 ピクセル 』  ( 日本語吹き替え版 ) ★★1/2
9/27 『 ピエロがお前を嘲笑う 』 ★★1/2



この項 おわり







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