2015年11月6日金曜日

いわし亭の日々是好日 2015 年 11 月


11 月 2 日 ( 月 )

宗右衛門町のロフトプラスワンウエストに 『 ドラゴン総攻撃  』 ~ ブルース・リーとカンフー映画のヒーローたち ~ を見に行く。今月の27日はブルース・リーの誕生日で、彼も生きていれば何と75歳になる。信じられない感じがする。その分、ファンであった我々も確実に爺になっているわけだが ( 苦笑 )
ロフトプラスワンウエストでは、これまでもカンフー スターに関するイヴェントが結構、開催されてきたように思うのだが、今回の主催者 長嶺英貴さんはホストとしてのイヴェント開催は初めての方の様で、これからも続けて行きたい旨、語られていた。しかし、この人、お話はかなり上手い。長嶺さん以外のホストは、ジャッキー・チェン コーナー DJ.L.A.H.さん、ジミー・ウォング コーナー 存英雄さん・ミック博士さん・MIOさん、ブルース・リー コーナー 長嶺さん、今井毅さんの面々である。
ブルース・リーが早逝して早40年以上が経っており、業界に太いパイプでもない限り、重箱の隅をつつくようなテイストに終始するのは仕方のないことで、いわゆる古典研究の趣になる。その意味では知っていることの方が多く ( 残念ながら事実誤認やこうであればいいナァ といった妄想もかなり入っている ) 、今更感の方が強いが、それはさておき、やはりブルース・リーの誕生月に何らかの関連イヴェントが開催されるという事実が重要だ。
長野県飯田市でブルース・リー専門店 “ 今井商店 ” を営む今井さんは、いつもファン目線でのお話をしてくれるので楽しい。今回もブルース・リーの作品が公開された当時のラジオ、テレビCMというレアなブツを紹介してくれた。
知り合いはあまり参加していないイベントではあったが、大村 崑さんの息子さんで著名なコレクターの岡村純治さんにお会いした。


11 月 6 日 ( 金 )

東京のレコード/CD ショップの雄 ディスクユニオンが満を持して大阪に進出。夕方からではあったが、駆けつけてみた。現場の ACTⅢ では、2階のホールで梅田レコード CD 市も開催されていて、さながら音盤モノノフの戦場と化している。
かつてここには、大阪の老舗中古レコード/CD/DVD専門店 DISC JJ があった。すでに希少盤と化していた東京ロッカーズや関西 NO WAVE、’80 年代初頭のパンク・ニューウェーヴ、岡田有希子の全シングル盤、BIG BLACK 『 Atomizer 』( いわし亭にとって FOETUS ART TERRORISM 『 カラミティ クラッシュ 』 と並ぶインダストリアルロックの傑作アルバム ) といったインポート盤、ワールドミュージック等々、アナログ全盛期には、いわし亭もここで相当な数の音盤を入手したものだ。規模を縮小した DISC JJ が駅前ビルに集約された後しばらく、キタの中古音盤関連の店舗は激減していたから、これは実にありがたい。
場所はこの DISC JJ の跡地とばかり思っていたのだが、実際には向かいのスペースで、規模感としては東京の神保町店クラスか。兎に角、驚いたのが、支払いをするのに整理券が発行されていたことで、狭いレジスぺースを混雑させないためのアイディアだが、マジでキャパオーバーな程の集客があったというわけだ。
ロックコーナーの棚とは別に、プログレコーナーがあったりすると、正にディスクユニオンと言う感じがして嬉しい。他にも、ワールドミュージックやまだまだ手薄ではあるがアヴァンギャルド・ノイズのコーナーも一応ある。クラシックとジャズにもかなりのスペースを割いている。残念なのはインディーズ コーナーがまだ独立していないことで、東京のインディー シーンの活性化にはディスクユニオンのチャートがかなり貢献してきた実績があり、ここは是非頑張ってほしい。全体の三分の一程度はアナログディスクと書籍のコーナーで、ここも熱かった。
“ 今や世界じゅうで絶滅が危惧されているレコード/CD 店の 1 軒 ” と自虐的なキャッチフレーズを掲げる奈良・餅飯殿の老舗 ジャンゴレコード のツイートを毎日見ていると、“ アナログ盤のブーム再燃 ” とか、あーゆー無責任な記事はマジで業界雀の煽り記事 という印象を持っていたのだが、ディスクユニオンの熱気は眠っていたコレクター心をも十分に刺激するもので、思わず何でもかんでも買ってしまわないよう自粛するのが大変だった。とりあえず 12 月の来日公演に備えてキングクリムゾン関係を何枚か補充した。
レア盤がどの程度あったのかは不明だが、個人的にはそれほど珍しいものは、なかったような気がする。ここは 9 時オープンと同時に入店したモノノフのレポートに期待したい。ただ、ディスクユニオンの魅力はレア盤だけでなく、むしろいわし亭が評価しているのは、商品全体の価格設定がこなれていること、盤質のチェック及びその表記が良心的なことだ。従来の中古盤屋がゴミの様な音盤に “ ミント ” ( 新品同様 ) とかつけているのを見て、うんざりさせられていた時代とは隔世の感がある。


11 月 11 日 ( 水 )

梅田 AKASO に戸川純さんの毎年 11 月恒例のライヴを聴きに行く。今回はいつものバンドメンバーにゲストで YAPOOS のキーボード 山口慎一さんを迎えて、いつものセトリとは一味違う内容となった。
腰を痛めたために、運動不足になりがちで、ずいぶん太ってしまったとのことなのだが、確かに真ん中に戸川純ちゃんが入っているキグルミの様に見える。けれども、それも含めて戸川純様だなぁ とも思う。
来週の17日、山崎春美さんがついに新始動させる TACO で亡くなったロリータ順子さんの代わりにヴォーカルを担当するとのこと。戸川純さんは本名を順子という と自分で話されていて、ロリータ順子さんとはキャラが似ていることもあり、実際に仲も良かったそうで、その辺りのMCは興味深いものだった。
いわし亭はやはり戸川純さんの声質が好きなのであって、それは脆くて、儚くて、血を吐くようで、怒濤のようで、強いのだ。オペラの様であり、パンクの様であり、そして、振り絞るように出される声には命が宿っている。その意味で戸川純さんは、紛うことなき巫女体質で、歌いながら、どんどん命が擦り減っていくようで、見ていて怖い。
そんな凄まじいステージを目の当たりにしながら、安易にアンコールを求める大阪の客は本当に下品だし、結局、何も見えていないし、感じていないんだ ということも良く分かる。


11 月 24 日 ( 火 )

楽しみにしていたジーザス & メリー・チェインのジャパン・ツアーが 2016 年の 2 月に延期になった。メンバーのウィリアム・リードの急病ということで、いた仕方ない。気持ちを 12 月のザ ポップ グループ、キング クリムゾンに切り替える。



11 月に見た映画 ( 満点 ★★★★ )

11/09 『 サヨナラの代わりに 』 ★★★
11/14 『 ギャラクシー街道 』 ★★1/2
11/14 『 食人族 』 ★★★
11/18 『 FOUJITA 』 ★★1/2
11/22 『 MOZU 劇場版 』 ★★1/2
11/22 『 悪魔のいけにえ 7.1ch 轟音版 』 ★★★1/2
11/26 『 グラスホッパー 』 ★★★
11/29 『 起終点駅 ターミナル 』 ★★★
11/29 『 愛を語れば変態ですか 』 ★★1/2



この項、おわり





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