2013年9月20日金曜日

いわし亭部長とフランシーヌ千里部員の音楽放談 ~ ビートルズ 記録に見る史上最強バンドの証明


第14回目 テーマ: ザ ビートルズ ~ その凄さについて話しましょう 第一回 記録編


フランシーヌ千里です。
今回あまりにも大きすぎるテーマに、無謀にも切り込んでいきます。そしてシリーズとなります。今回は、その第一回目。

ビートルズ! 

私の記憶にある限り、ビートルズをはじめて聴いたのは映画 『 悪霊島 』 の 「 Let it be 」 でした。
テレビで流れる映画の予告編が恐ろしくて、その後も ♪ Let it be ~ と聴くと震えていました。大人になって、ビートルズの存在を知るまで、嫌だったものです。

そんな私ですが、大人になったらなったで、ビートルズ = アイドルっぽい~ と ( ビートルズで英語を楽しく学ぼうとする健全なクラスメイトを尻目に ) 食わず嫌いだったのが、いわし亭部長の話を聴いて “ ふーん、そうだったのか! ビートルズ ” と思うようになりました。

ビートルズは、とんでもない人たちだったのですね。
ビートルズとは、いったい何者だったのか?

今回はいわし亭部長の膨大な知識から、ビートルズの音楽性とデータから見た彼らの卓越性について語ってもらいました。
あまりにもファンが多すぎて、扱うことはタブーとまで思えましたが、敢えて挑みます。
今回の放談のために、いわし亭部長は改めてビートルズ関連の書物やデータを精査し、いわし亭部長的にも新しい発見があったそうですよ! 

どうぞお聞きください。








1. バック イン ザ U.S.S.R.
2. ディア プルーデンス
3. グラス オニオン
4. オブ ラ ディ、オブ ラダ
5. ワイルド ハニー パイ
6. コンティニューイング ストーリー オブ バンガロウ ビル
7. ホワイル マイ ギター ジェントリー ウィープス
8. ハッピネス イズ ア ウォーム ガン
9. マーサ マイ ディア
10. アイム ソー タイアード
11. ブラックバード
12. ピッギーズ
13. ロッキー ラックーン
14. ドント パス ミー バイ
15. ホワイ ドント ウィ ドゥ イット イン ザ ロード
16. アイ ウィル
17. ジュリア


1. バースデイ
2. ヤー ブルース
3. マザー ネイチャーズ サン
4. エヴリボディーズ ゴット サムシング トゥ ハイド エクセプト ミー アンド マイ モンキー
5. セクシー セディ
6. ヘルター スケルター
7. ロング ロング ロング
8. レボリューション 1
9. ハニー パイ
10. サボイ トラッフル
11. クライ ベイビー クライ
12. レボリューション 9
13. グッド ナイト


『 The BEATLES 』 というまるでデビュー作のようなタイトルの 2枚組。ローリングストーン誌が 2005年に最新版として刊行した “ オールタイム ベストアルバム 500 ” においても、やはり不動の1位を冠された 『 サージェント ペパーズ ロンリー ハーツ クラブ バンド 』 に続く  ’68年の作品である。 『 サージェント… 』 のようにトータルなコンセプト等々を一切設けず、4人のメンバーがそれぞれ自由に、興味の赴くまま制作を進めた。因みに先の “ ベストアルバム 500 ” で本アルバムは 10位に選出されており、現在、米国では最も売れた 2枚組アルバムとされている。
何事においても過剰さが売り物であった ’60年代の終わりに、リチャード・ハミルトンのデザインは何とモノトーンの真っ白なジャケット。ルックスから、“ ホワイト アルバム ” と別称されることが多いが、このゼロ年代にも通用するようなデザイン センスを採用しただけでも、ビートルズが如何に、時代の最先端を突っ走っていたか が分かるというものである。
アナログ時代にはタイトル 『 The BEATLES 』 をエンボス加工し、シリアル ナンバーがプリントされていた。つまり、世界一シンプルなジャケットにも関わらず、世界に一つしかないジャケットとも言えるのだ。ポール・マッカートニーは、ジョン・レノンがシリアル ナンバー “ A1 ” を所有していたと述べている。例えば、オークションでは、シリアル ナンバーが二桁台で、130万円以上のプレミアがついているのだから凄い ( 下記参照 )。

『 リボルバー 』 あたりから目立ち始めた ’60年代後半を席巻したサイケデリック テイストが後退し、バンド サウンドを活かしたシンプルなアレンジへの回帰は、初期のビートルズ テイストを好んだファンには歓迎された。
その一方で 8トラック レコーダーの導入により、4人が同時に演奏する必要がなくなったため、各々が楽器を持ち替えたり、多重録音されたソロ作品まで含まれていることもこのアルバムの特徴になっている。
数年前まで “ ホワイト アルバム ” は、まとまりを欠いている散漫な作品という評価が一般的であった。ヘヴィ ユーザーになって初めてチャレンジすべきアルバムであると紹介された記事もたくさんあったし、実際、推薦盤として選ばれることは稀だったようにも思う。また 2枚組という大作にもかかわらず、きちんとした作品解説を読んだ記憶も薄い。いわし亭はライターの苦悩がひしひしと伝わってくる原稿をよく目にしたものだが、今日的に見るならば、このヴァラエティに富んだ作風はやはり魅力だと思う。

ビートルズを一言で語ると “ 多様性 ” ということではなかろうか。そしてその “ 多様性 ” は、ビートルズの活躍したフィールドがロックであったからこそ開花し、現代の全ての音楽的要素を包括していると評されるこの “ ホワイト アルバム ” において最大限に発揮されている。これが他のジャンルの他のミュージシャンであれば、こうはいかなかっただろう。ロック以外の音楽ジャンルでは、革命的とされる創意工夫や掟破りも、ロックにおいては日常茶飯事であり、ごくごく当たり前と見なされるのも面白い現象である。

アルバムどころかビートルズ全史で俯瞰しても屈指の名曲 「 ホワイル マイ ギター ジェントリー ウィープス 」 は、ジョージの作品である。ゲストとしてエリック・クラプトンのような大物が参加するのはやはり珍しく、演奏も緊張感あふれる引き締まったものになっている。この共演で、クラプトンはポールのベースを高く評価したという。
ポールの作品としては、ヘヴィ メタルと呼んでも差し支えない 「 ヘルター スケルター 」 ( マンソン ファミリーが起こした事件との関係が取りざたされたこともある。最後にリンゴが “ 指にマメができちまった! ” と叫んでいる ) やスカビートを取り入れて軽快な 「オブ ラ ディ、オブ ラ ダ」 が印象深い。
ジョンは最も多い13曲を提供している。そのどれもがジョンらしい個性に溢れた作品ではあるが、難解な印象も受ける。特に 「 レボリューション 9 」 はジョンとヨーコによる前衛作品で、’68年にヨーコと制作した問題以外の何ものでもない 『 「 未完成 」 作品第一番 ~ トゥー ヴァージンズ 』 の系譜上にある。この時期、ジョン・レノンはオノ・ヨーコに接近することで、後々露わとなる “ 狂気の天才 ” へのステップとした。

レコーディング中、リンゴが非公式にビートルズを脱退するという騒動が起こったが、ビートルズのバンドとしての求心力が低下し始めるのも、このアルバムを制作した頃からである。



2013年8月11日 ( http://blog.kouchu.info/2013/08/TheBeatles-A0000001.html )
番号 「 A0000001 」 が刻印されたアルバム 「 The BEATLES 」 が340万円で落札される

ビートルズのアルバム 『 The BEATLES 』 の LPのジャケットには通し番号が刻印されていることで有名ですが、このたび 「 A0000001 」 が刻印されたものが Heritage Auctions に出品され、 35,000米ドル ( 約340万円 ) で落札されました。
昨年同オークションで 「 A0000023 」 の同アルバムが 13,750米ドルで落札されていました。今回はその 2倍以上の金額になっています。 
 「 A0000001 」 は当然ビートルズのメンバーが持っているだろうと思いきや、プロモーション用に 「 A0000001 」 が複数刻印されたと出品者は主張しています。今回の出品物は Capitol Record のクラシック部門のトップがかつて所有していたものとのことです。


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ザ ビートルズ ~ その凄さについて話しましょう
     第一回 記録編
     第二回 記憶編










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